ぽよの居ぬ間にブログ

主婦の雑記ブログです。

子育て、趣味、伝えたいこと、思ったことを綴っています。
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発達障害児の初語~井之頭五郎にあこがれて~

我が家の長男である兄ぽよは、言葉の発達に遅れがあり、親としてとても心配してきました。喃語を卒業し、初めての言葉「初語」が出たのが2歳6ヶ月頃です。つまり2歳半まで喋りませんでした。

兄ぽよの初語については、テレビドラマ版の「孤独のグルメ」がかなり後押ししてくれたと感じています。ただこれは、子育てをテレビに任せるのはいかがなものか、という繊細な話にも抵触するかもしれません。我が家の、テレビや動画との付き合い方と、兄ぽよの初語周辺の事柄を書き残しておきたいと思います。

兄ぽよ1歳 テレビは時間制限

兄ぽよ0歳〜1歳代には「テレビの見せるのはよろしくない」という真面目な意識が、私にもまだ強くありました。 テレビの見せすぎはコミュニケーションの機会を奪うなんてことがよく言われていますね。ましてや兄ぽよの言葉の遅れに気づき始めた頃。ちょっとピリピリしていました。テレビは1日に2時間まで!

しかし、およそ人の子が興味を持つはずの室内おもちゃには興味がなかった兄ぽよ1歳…。テレビ無しでどう過ごしたらいいんだ!ということで、 児童館や公園に連れ出しまくりました。まあそこでも、遊具やおもちゃより扉の開閉やただただ歩き回ることが好きだったわけですが。体力もついて、家ではできない遊びもできて良い経験だったと思います。

この時期にも、兄ぽよにはいっぱい話しかけていましたが、むなしくも梨のつぶてでした。目線すら合わせてくれません。視線を合わせる練習として、おもちゃで遊んでいる正面に座って話しかけてみたり、絵本を正面から読むようにしてみたり、いろいろな書籍やYouTubeなどでも解説されている「子供が目で追っているおもちゃを、そのまま親の顔の近くまで持ってくる」など1歳半ごろから焦燥感に駆られて試してみましたが、上手くいったことはありませんでした。兄ぽよ、手強いです。

「おもちゃを親の顔の近くまで持ってくる」の反応について少し書き足します。おもちゃを私の顔の前まで持ってきても、全く目が合わない子でした。そのまま私の頭の後ろにおもちゃを隠しても目は合いませんでした。さながら高層ビルの合間に消えていく飛行機を見ているような視線。つまりこの頃、兄ぽよにとって、親は完全に無機的な障害物でしかありませんでした。

視線合わせ練習は、心が折れて3か月ほどで止めてしまいました。

兄ぽよは現在3歳。ためしに、おやつで食べているドーナツを1つ私の顔の前まで持ってくると、ちらりと私の目を見てきました。そして「返せ」のジェスチャーで手をのばします。はいはい、返します。目が合う!すばらしい!

やはり、2歳まではこの子にとって「まだその時期ではなかった」に尽きると思います。

兄ぽよ2歳 言葉のきっかけはテレビ

タイトルにも付けたとおり、発語のきっかけというか、言葉のキャッチボールが「楽しい!」と学んだきっかけはテレビドラマでした。「孤独のグルメ」です。もはや説明不要だとは思いますが、主人公の井之頭五郎が仕事の合間に美味しい店を探して心の声で食レポするドラマです。

2歳3ヶ月頃からハマり、3歳までほぼ毎日観ていました。

これは想像なんですが、ずーーっと同じおじさんが写っていて、登場人物も少なくて、いつもご飯を食べるという一貫性、でもたまにコミカルな場面がある感じが、兄ぽよにハマったのかな?と思います。3歳になった今、たぶん同じ理由で「8番出口」というゲームが大好きです。あ、兄ぽよはオジサン好きなんです。公園でも特にひとりでいるおじさんにニコニコしながら近づいて行きます。皆さん優しくしてくれてありがとうございます。

孤独のグルメに出会った頃、指差しはできており、この動画を見せろと親に伝えてきていました。そして好きなドラマだから、真似してみたくなったのだと思います。

井之頭五郎ごっこが始まりました。

ママの化粧ポーチを仕事鞄に見立てて、美味しい店を探してリビングをウロウロ。可愛い~! ママに五郎っぽいセリフを言うよう催促してきます。さらに劇中のBGMを歌うように促します。自分は喋れないし歌えないのでママに全部やらせます。「腹が減った」「よし、店を探そう」〜BGM〜「この店にしよう」。店探しごっこを30分以上繰り返した事もあります。喉が枯れました。

さて、孤独のグルメでは毎回おなじみのシーンが、店探し以外にもあります。五郎さんが料理を注文するシーンです。「すいませーん」「はい」「(料理名)ください」「はい」 という流れ。もちろん回によってセリフは変わりますが大体同じ。

兄ぽよがキッチンカウンター前で、踏み台に乗って立ち、ママやパパを反対側に立たせて注文ごっこか始まりました。

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絵馬子
アジフライ定食ください
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兄ぽよ
はいー!
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絵馬子
しゃべったああああ!!!

そうです!兄ぽよが初めて使った言葉は注文を受けた時の「はい」でした。2歳6ヶ月のことです。
そこから3ヶ月くらいは「はい」だけで過ごしましたが、2歳10ヶ月頃から他にも言える単語が増えてきました。

兄ぽよ3歳 ゆるくテレビと付き合う

以来、私はテレビや動画を見せる時間をそれほどゴリゴリに制限しようとは思わなくなりました。もちろん一日中見せておくような極端なこともしませんが。

午前中はできるだけ外に出て、午後は部屋遊びが気乗りしなければテレビでいいか。あ、ご飯の時間だから消そうねー。くらいのゆるさ。

ただ、代わりにと言ってはなんですが、同じ画面を見ながら親がかなり喋っています。本人も喋るようになったことだし、オウム返しが徐々にできるようになってきたので、言えそうな言葉や出てきた動物の名前、「ドアが開いた」とか「落ちちゃったねー」とか。一人暮らしで暇すぎてテレビと会話していた時以上に、しょうもない事も口にしています。

また、テレビとの付き合いをゆるくした事で、「パパちょっとテレビ見せすぎ!」というイライラが失せたのも、副次的にいい効果でした。

ありがたいことに兄ぽよの価値観は、

お出かけ>テレビ
お風呂>テレビ
ご飯≧テレビ
お布団≧テレビ

なので、これらでテレビを切り上げることにはあまり抵抗しません。ありがたや。

また、兄ぽよはリモコンでテレビをつけることを知っており、リモコンがなければテレビは諦めます。なので、見せたくない時には、朝起きてくる前か昼寝の間にリモコンを隠してしまえばオッケーです。今後さらに知恵を付けた時にどうなるかは分かりませんが、今のところはこれで納得してくれるので良しとしています。

見せる番組は検閲

少し脱線しますが、テレビでの失敗談をひとつ。

芸人が面白を見せて審査員が牛乳を吹く。もはや平成古典とも言える流れ。令和のバラエティでは絶滅したかと思われますが、昔の番組が見られる配信では存在しています。 親が懐かしくて昔のバラエティを観ていました。その時は兄ぽよも楽しんでいるようで何事もなかったのです。

異変はその日の夕方。ツバをべーと床に吐き出す兄ぽよ。しばし固まる親ふたり。

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兄ぽよ
べー!
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絵馬子
なにしてるの!
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兄ぽよ
???

「何してるの」ではやめて欲しい事は伝わらないとは分かりつつ、出てしまう第一声。兄ぽよは笑いながらさらにツバを吐きます。

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絵馬子
しまったー…

完全にミスりました。バラエティ番組の真似を始めたのです。牛乳べー。そうだよねー、番組では牛乳吐いてみんな笑ってるもんねー、ツバ吐いたらみんな笑うと思うよねー。

番組を見せないようにして、やめるよう根気強く言いきかせて。それでも悪い癖が消滅するまでかなりかかりました。その間、外出先でもペッペッ吐いていたので、ひやひやしながら過ごしていました。親はなんとなしに見ている番組でも、子供が拾う部分は独特です。気をつけようと思いました。

ブームが去っても残る魂

3歳になり、兄ぽよの孤独のグルメブームは完全に去りました。延々と繰り返し見続けたSeason1の第1話も、Season10の第1話も、大好きだった「井之頭五郎の災難」編も久しく見ていません。

しかし、ドラマを見なくなって2か月ほど経ち、その頃ぽつぽつと話し始めていた兄ぽよがある日、バスの中から外を見て言ったのです。

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兄ぽよ
おいしそう

おいしそう、なんてかなりレアな単語だったのでびっくりしました。食べ物を前にしても、なかなか出たことのない語彙です。何を見て言ったのかしら。そこには、あずき色の暖簾に白文字で「蕎麦」「やきとり」と書かれた雰囲気の良い店が構えていました。マジか。

三つ子の魂百までというのが本当であれば、兄ぽよは良さそうなお店を選ぶ一生モノの感覚を手に入れたということです。おもしろ。

おわりに

兄ぽよは成長のちょうど良い時期に、いい番組と巡り合うことができたと思います。テレビや配信やタブレットや携帯や、色々ありますが、子どもにどれくらい許すかというのは常に悩ましいところです。本人の興味と伸びる機会を大事に、バランスだけ親がとってあげるように丁寧に関わっていければと思います。

ちなみに、兄ぽよは最近、リモコン操作を覚え、ゲームのコントローラーをぐりぐりして主人公を動かせるようになってきました。次にコッコと話しているのは「幼児がやって良い経験になるようなゲームってどれだ」です。