ヘルメット治療とは
ヘルメット治療とは、頭に変形がある赤ちゃんがオーダーメイドのヘルメットを装着して、頭の形を整えていく治療です。ぴったりサイズのヘルメット内で、頭の膨らんでほしい部分に対応した空間を作って、成長を促します。日本国内で利用できる治療用ヘルメットはメーカーもいくつかあり、複数種類ありますが、頭のかたちを整える基本的な仕組みはこんな感じです。
小児科で相談するまで
生まれた時の頭のかたち
弟ぽよは、生まれたときから頭が斜めに楕円でした。いわゆる斜頭です。
赤ちゃんの頭って生後2ヶ月くらいまでは、大人の両手ですっぽり覆える大きさなんですよね。それがなんとも、本人の左目の上から右後頭部が山脈になっているのが分かるというか、「君なんか頭の正中線ズレてない?」と思っていました。
病院の先生から特に指摘がないので大丈夫だとは思いましたが、やっぱりちょっとは心配で。
ちなみに弟ぽよは帝王切開なので、産道で云々はなく、お腹の中の体勢でやっちまってたタイプです。
向き癖との戦い
もちろん向き癖も強めでした。目を離すとすーぐ左を向いていました。寝ていても左に戻る。そのグニャグニャの首のどこにそんな力があるんだい?という早さです。
私はスパルタで体位変換を始めました。向き癖が頭の形にも影響することを、兄ぽよ育児の時に調べて知っていたのです。(ちなみに、兄ぽよは頭の形がキレイです。吸引分娩だったのですが。4ヶ月頃まで向き癖があったので頑張って逆を向かせていました。)
とはいえ、兄ぽよのお世話もあるので「ちょっと待っててねー」という時間もまぁまぁあり。右向きの時間を左向きより長くする、という意識で行いましたが、左向きの方が長かったかもしれません。これが生後2ヶ月目まで。
生後3ヶ月以降になると向き癖も弱まってきました。寝るときに右を向かせてあげれば、そのまま2時間ほど寝ていることもありました。
戦いの果てに…
そんなことより、じゃあ頭の形はどうなんだ!っていうね。頭が前後左右&上に大きくなった分、生まれたときよりマシになったと思います。生後2ヶ月頃まではなんだか悪化しているような気がして、後頭部を鏡に映したりしてハラハラしていたのですが、その後は改善、生後4ヶ月以降は良くも悪くもあまり変わらない。弟ぽよの場合はそんな感じでした。
しかしそれで、めでたしおしまいではありません。マシになったものの!後頭部の左右差はまだけっこう残っていました。
私自身ふんわりあやふやに書いてしまっている通り、赤ちゃんの頭を他の子と直接比べる機会なんてほぼありません。頭の大きさに左右差があるように感じてはいたものの、自分の子がどの程度深刻な(あるいは心配するほどでもない)状態なのか自分でも分かりませんでした。
というわけで乳児健診で相談することにしました。
生後4ヶ月検診
向き癖に対して色々と対処をしてきましたが、自分の中での区切りとして、4ヶ月検診の時にまだ頭のかたちが気になるようなら相談をしようと決めていました。問診票に書きました。頭のかたちと向き癖が気になります、と。
結構ドキドキしながら診察を受けました。この母親何言ってるんだ?くらいの反応をされる可能性もあると思っていたからです。
結果は、思ったよりすんなりと紹介状を書いて頂く流れになりました。

担当の先生、結構詳しく教えてくださるみたいですよ

ヘルメット治療を申し込むまで
適応診断
紹介状を持って、ヘルメット治療の適応診断を行っている医療機関を受診しました。地域やヘルメットメーカーによっては、メーカーでの頭の測定を先に行ったり、順序は変わるかと思います。適応診断とは「この子はヘルメット治療をしてもいいよ!」という診断をしてもらうことです。ここで頭蓋骨の病気が発覚するとストップがかかります。
診察を受けに行くと、担当の先生が、赤ちゃんの頭の変形についてのあれこれをパワーポイント資料でがっつり説明してくださいました。ネットには無いような、体位変換等で改善した例とビフォーアフター写真なども見せていただき、とても参考になりました。
先生からすると弟ぽよの頭は、一見して頭蓋骨の病気ではないとわかる程度の歪みみたいです。専門家からお墨付きの安心感〜。
ヘルメット治療を希望するかどうかは親の判断が全てです。先生からは勧めも止めもされません。
私としては、ヘルメット販売会社が行う頭の測定に興味があり、頭のゆがみ具合を数字で見てみたい気持ちがあったので、希望があることを伝え、次のステップ。頭部レントゲンを1枚撮りました。頭蓋骨には問題なし。どのヘルメットメーカーにするか伝え、先生に指示書を書いていただきました。
もちろん、指示書を書いてもらったからと言って、必ずヘルメットを作らなくてはいけないわけではありません。なんなら、指示書を持ってメーカーや販売会社に説明を聞きに行き、最終的にヘルメット治療をしない人の割合の方が多いとのことでした。
我が家の地域で指示書を書いてもらえるこの病院は、総合病院なので患者さんも多く、受診に時間はかかり、近所の小児科と違って家から結構遠い。交通費を考えると、ここで指示書を書いてもらわず保留にするより、今日書いてもらった方がいいな、とも思いました。
かなり長丁場になりましたが、途中で授乳タイムやオムツ替えをはさみつつ、弟ぽよは始終いい子で受診してくれました。ありがとよ!
頭のかたち測定
ドクターからの指示書を持って、予約をとって、いざ測定へ。
弟ぽよに水泳キャップのような帽子をかぶってもらい、鼻や耳に目印(?)のシールを貼り、スマホ的なカメラで撮影しました。
お分かりいただけますでしょうか。このむちむち。
なんか弟ぽよって、こういう時いつもいい子でいてくれるよね…!ありがたい。毎日家で黄昏泣きかましてくるのがウソのようだわ。
絶壁:なし
ざっくりこんな結果でした。中等症でも軽度寄り。軽度であれば治療対象外、中等症からヘルメット治療の対象です。実際は細かいデータをいただけます。
この場では結論を出さず、結果を持ち帰って家族と相談して回答するということにしました。
ヘルメット販売会社のAHSさんのオフィスで測定したのですが、特にヘルメットを強く勧められるわけではありませんでした。やるもやらぬも親の判断です。
余談
ヘルメット治療を迷う理由って、赤ちゃんの負担だったり親の手間だったりいくつかありますけど、やっぱり値段ですよねー。自費診療なんで。我が家が選んだヘルメットは44万です。新婚旅行以来の高額出費だ!了承してくれてありがとうコッコ。
これに関しては、個人的な呪縛がありまして。
わたし、大人になってから歯列矯正したことがあるんです。部分的なヤツでだいたい40万くらい…。その時も高いなあと思いながら、払いました。めんどくさいなあと思いながら通院と、後半のマウスピースもがんばりました。
これ、金額が理由でやらないことにしたら、自分の歯には金出すのに、子供の頭には金出さない奴になるじゃん…!
誰に責められるわけではないんですけどね。良心の呵責っていうのかな。過去の行動がこんなかたちで響いてくるとは。
ヘルメット申込み完了
コッコとは、適応診断を受けた後、測定の予約日を待つ間の時期に、ヘルメット治療の対象であれば申し込もうという話はしていました。上記のとおり、基本はわたしの希望ですが。測定結果を持ち帰り、改めてコッコに最終確認をして、我が家は申し込みを決めました。
すべての工程が終わる前に家族と話しあって方向性を決めていたので、あまり悩まずにすみました。どこに線引きするかは家庭によって違うかと思いますが、事前に「病気でないことが確認できれば、ヘルメット治療はしない」「重度以上で治療する」「ゆがみ度を数値で確認したら、もう1か月他の方法を試してみて決める」など、事前に家庭内で方向性を決めておくことをおすすめします。
ということで、我が家では治療用ヘルメットを申し込み、2週間後に受け取りの予約を入れました。およそ生後5か月半から治療開始です。
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